筆者紹介
1. 経歴
- 1942年2月 広島県生まれ
- 1964年3月 広島大学工学部電気工学科卒業
- 1964年4月〜1994年3月 NTT研究所
- 1994年4月〜1998年5月 (株)アスキー,(株)GCLに出向
- 1996年3月 早稲田大学から博士(工学)学位取得
- 1998年6月〜2001年3月 通信・放送機構招へい研究員
- 1999年9月〜2003年3月 早稲田大学国際情報通信研究センター(GITI)客員教授
- 2003年4月〜2006年3月 早稲田大学理工学研究科客員教授
- 2006年4月〜2012年3月 早稲田大学GITI客員教授/招聘研究員
- 2006年5月〜2019年1月 VTVジャパン(株)アドバイザー
2. 研究・開発テーマ
- テレビ電話機の開発
- テレビ電話システムの試用試験
- テレビ会議における人間要因の研究
- 広帯域通信網の研究
- 映像符号化の研究と国際標準化
- 会話形オーディオビジュアル通信システムの研究,教育と国際標準化
- 蓄積形放送システムの研究と国際標準化
3. 標準化活動
CCITT/ITU-T
- 1984年12月〜2007年7月 CCITT SGXV,ITU-T SG15, ITU-T SG16ラポータ(映像符号化,テレビ電話システム,マルチメディア通信システムの課題責任者)
- 1984年12月〜1989年11月 CCITT SGXV H.261映像符号化専門家グループ議長
- 1990年11月〜1996年2月 CCITT SGXV/ITU-T SG15 ATM映像符号化およびシステム専門家グループ議長
- 2002年10月〜2008年10月 ITU-T SG16 作業部会2/16議長
ISO/IEC JTC1/SC29/WG11 (MPEG)
- 1991年5月〜1995年7月 MPEG要求条件サブグループ・リーダ
DAVIC
- 1996年9月〜1999年9月 Management Committee委員,Technical Committee議長
TV-Anytime Forum
- 1999年9月〜2001年7月 副議長
TTC
- 2003年6月〜2012年3月 マルチメディア委員会作業グループ・リーダ
4. 主な著作
1) 博士論文
大久保榮: オーディオビジュアル通信における動画像符号化方式の研究 - 人間要因からみた設計条件と国際標準化技術, 早稲田大学, 1996年2月
2) 著書
- 藤原洋監修『最新MPEG教科書』第3章「情報圧縮の国際標準とは?」, アスキー出版局, pp.37-51, 1994年8月
- テレビジョン学会編『MPEG』第3章「MPEGの機能」, オーム社出版局, 1996年4月
- Ming-Ting Sun, Amy R. Reibman編 "Compressed Video over Networks", Chapter 13 "ITU-T and DAVIC System Standards", Marcel Dekker, pp.513-557, 2000年9月
- 大久保榮,川島正久監修: 要点チェック式H.323/MPEG-4教科書, IEインスティテュート, 2001年4月
- 藤原洋, 安田浩監修『標準ブロードバンド+モバイルMPEG教科書』第9章「各種MPEG同期・多重化標準の概要」, アスキー,pp.305-325, 2003年2月
- 亀山渉, 花村剛監修『改訂版デジタル放送教科書(下)』第4章TV-Anytimeを基本とする新しい蓄積型/サーバ型放送システム, インプレス,pp. 95-122, 2005年3月
- 大久保榮監修, 角野眞也, 菊池義浩, 鈴木輝彦共編: 改訂三版H.264/AVC教科書, インプレス, 2008年12月
- 大久保榮監修, 鈴木輝彦, 高村誠之, 中條健編: H.265/HEVC教科書, インプレスジャパン, 2013年10月
3) 学会誌論文
- 大久保栄: 画像信号のデルタ変調に関するシミュレーション実験, テレビジョン, Vol.26, No.3, pp.188-195, 1972年3月
- 大久保榮, 贄川知顕, 大森喬: テレビ電話における精細画像伝送の一方式(資料), テレビジョン, Vol.27, No.12, pp.948-955, 1973年12月
- 逆井義文, 大久保栄: 画像会議における出席者表示方法の評価: 電子通信学会論文誌(B), Vol.J64-B, No.9, pp.923-930, 1981年9月
- 鎧沢勇, 滝川啓, 大久保榮, 渡辺義郎: 衛星通信を利用した画像会議におけるエコー及び伝搬遅延の影響, 電子通信学会論文誌(B), Vol.J64-B, No.11, pp.1281-1288, 1981年11月
- 加藤洋一, 大久保榮, 鈴木豊: 動画像ハイブリッド符号化方式の符号化効率 - ブロックサイズの選定, DCT方式とVQ方式の比較, ループフィルタ, 電子情報通信学会論文誌(B-1), Vol.73-B-1, No.2, pp.92-100, 1990年2月
- Sakae Okubo, Masahiro Wada, Mike D. Carr, Ali J. Tabatabai: Hardware trials for verifying Recommendation H.261 on px64 kbit/s video codec, Signal Processing Image Communication, Vol.3, No.1, pp.71-78, 1991年2月
- Sakae Okubo Reference Model Methodology - A Tool for the Collaborative Creation of Video Coding Standards Proceedings of the IEEE, Vol.83, No.2, pp.139-150, 1995 1995年2月
- Sakae Okubo, Ken McCann, Andrew Lippman: MPEG-2 Requirements, Profiles and Performance verification - Framework for Developing a Generic Video Coding Standard, Signal Processing Image Communication, Vol.7, No.3, pp.201-209, 1995年9月
- Sakae Okubo, Stuart Dunstan, Geoff Morrison, Mike Nilsson, Hayder Radha, Dale L. Skran, Gary Thom: ITU-T Standardization of Audiovisual Communication Systems in ATM and LAN Environments, IEEE Journal of Selected Areas in Communications, Vol.15, No.6, pp.965-982, 1997年8月1日
- Amy Tzu Ya Huang, Sakae Okubo, Wataru Kameyama: Talk-Back and Talk-Together TV -- Service Concept and Possibility of User Acceptance, 映像情報メディア学会誌(The Journal of the Institute of Image Information and Television Engineers), Vol.59, No.4, pp.629-637, 2005年4月
- 池田悠佑,大久保榮,甲藤二郎,木村建太: 映像位相同期制御による映像切替・合成遅延の最小化, 映像情報メディア学会誌, Vo.60, No.11, pp.1789-1795, 2006年11月
4) 学会誌解説
- 大久保栄: テレビ会議システムの技術動向, 画像電子学会誌, Vol.11, No.1, pp.25-33, 1982年1月
- 大久保栄: 広帯域通信網, 情報処理学会誌, Vol.24, No.10, pp.1193-1198, 1983年10月
- 大久保栄: テレビ会議/電話方式の国際標準化動向, テレビジョン学会誌, Vol.42, No.11, pp.1219-1225, 1988年11月
- 大久保榮, 羽鳥好律: ISDNを利用したテレビ会議・テレビ電話方式の標準化動向, 情報処理学会誌, Vol.31, No.7, pp.921-929, 1990年7月
- 大久保榮: MPEGの機能要求, テレビジョン学会誌, Vol.49, No.4, pp.431-434, 1995年4月
- 栗岡辰弥, 川島正久, 大久保榮: TV Anytimeの規格と現状, 映像情報メディア学会誌, Vol.53, No. 12, pp.1666-1673, 1999年12月
- 大久保榮: ITU-T SG16におけるテレビ会議システムの標準化, 映像情報メディア学会誌, Vol.69, No. 5, pp.256-259, 2015年3月1日
- 大久保榮: 画像通信今昔(2) テレビ会議, 画像電子学会誌, スキャニング欄, Vol.46, No.2, pp.366-370, 2017年4月30日
5) 学会誌エッセイ
- 大久保榮: 身体で憶えた英単語, 画像電子学会誌, Coffee break欄,Vol.25, No.6, pp.730-733, 1996年12月
- 大久保榮: H.261標準化の数景, 映像情報メディア学会誌, 国際規格誕生物語第2回, Vol.53, No.5, pp.573-676, 1999年5月
- 大久保榮: あの世を垣間見る, 画像電子学会誌, Coffee break欄, Vol.30, No.6, pp.731-732, 2001年11月
- 大久保榮: テレビ電話とその標準化, 電子情報通信学会誌「私の七転び八起き」特別小特集, Vol.91, No.1, pp.5-7, 2008年1月
- 大久保榮: 職業人として成功する方法, 映像情報メディア学会誌「名誉会員からのメッセージ〜次代を担う若者に向けて〜」, Vol.63, No.1, pp.1-4, 2009年1月
- 大久保榮: 英語の質向上に向けて, 画像電子学会誌, Coffee break欄, Vol.41, No.4, pp.377-378, 2012年7月
5. 早稲田大学大学院での講義
- オーディオビジュアル通信システム
- マルチメディア国際標準技術創生
6. 国際標準化
1) 責任者として作成した標準
- ITU-T H.120 Part 3: Codecs for videoconferencing using primary digital group transmission, 1988年11月
- ITU-T H.130 Part 3: Frame structure for use in the international connection of digital codecs for videoconferencing or visual telephony, 1988年11月
- ITU-T H.261: Video codedc for audiovisual services at px64 kbit/s, 1990年12月, 1993年3月
- ITU-T H.320: Narrow-band visual telephone systems and terminal equipment, 1990年12月, 1993年3月
- ITU-T H.331: Broadcasting type audiovisual multipoint systems and terminal equipment, 1993年3月
- ITU-T H.321: Adaptation of H.320 visual telephone terminals to B-ISDN environments, 1996年3月
- ITU-T H.310: Broadband and audiovisual communication systems and terminals, 1996年11月1日
- ITU-T H.247: Multipoint extension for broadband audiovisual communication systems and terminals, 1998年9月
2) 作成に貢献した標準
- ITU-T H.221: Frame structure for a 64 to 1920 kbit/s channel in audiovisual teleservices, 1990年12月, 1993年3月
- ITU-T H.242: System for establishing communication between audiovisual terminals using digiatl channels u to 2 Mbit/s, 1990年12月, 1993年3月
- IEEE Std 1180-1990: IEEE Standard Specifications for the Implementations of 8 by 8 Inverse Discrete Cosine Transform, 1990年12月
- ITU-T H.262 | ISO/IEC 13818-2: Information Technology - Generic Coding of Moving Pictures and Associated Audio: Video, 1995年7月
- IETF RFC 3944: H.350 Directory Services, 2004年12月
7. 表彰
- 米国TeleConference Magazineより: Most Significant Advance in the Field of Teleconferencing 1989 Overall(CCITTにおけるpx64 CODEC標準の作成), 1989年11月
- 日本ITU協会より: 日本ITU協会賞(ITUの目的達成に貢献しわが国の電気通信および放送発展向上に寄与), 1991年5月
- 情報通信月間推進協議会会長より: 情報通信功績賞(画像情報の符号化技術及びシステム化の研究者としてITU関連の標準化活動を通じ内外の情報通信技術の標準化に尽力し情報通信の発展に多大の貢献), 1995年6月
- IMTC (International Multimedia Telecommunications Consortium)より: IMTC Leadership Award (Creating First Digital Video Telephony Standard), 2000年11月
- 日本ITU協会より: 第29回日本ITU協会賞功績賞(国際電気通信連合の目的達成に貢献し我が国の電気通信および放送の発展に寄与), 2001年5月
- 映像情報メディア学会より: 丹羽高柳賞功績賞(動画像符号化方式の確立と国際標準化への貢献), 2003年5月
- 総務大臣より: 平成16年度情報化促進貢献個人表彰(デジタルコンテンツやネットワークに係る技術に関する政府及び民間における取組や検討に積極的に参画し,我が国の情報通信技術の発展において先導的な役割を果たすとともに,ITUにおいてグループリーダーや議長等の要職を務めるなど,情報通信に関する国際標準化の推進にも多大な貢献), 2004年10月
- 日本ITU協会より: 第39回日本ITU協会賞特別功労賞(CCITT/ITU-Tにおいて,オーディオビジュアル通信分野での映像符号化や相互接続性実現に寄与し,システムの標準化に貢献), 2011年5月
8. 所属学会
- 電子情報通信学会,会員
- 映像情報メディア学会,名誉会員
- 画像電子学会,フェロー
- 日本顔学会,会員
- IEEE, Life Fellow
9. 自由な時間には
- テニスをする
- スポーツをテレビで観戦する(野球では広島カープ,サッカーでは日本代表とサンフレッチェ広島を応援)
- 落語を聞く
- 本を読む
- 花や野菜を育てる