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 テレビ会議システムの構成をモデル化し,図3-1に示します.構成要素は,端末,ネットワークとMCUです.この図にはそれぞれの要素の主要機能が示されています.

 

図3-1 テレビ会議システムの構成

テレビ会議システムは,大きくは,端末,ネットワーク,MCUの3要素で構成されます.端末とMCUはネットワークの外側に配置されます.このモデルは,テレビ会議の機能に着目したもので,個々のシステム実現例ではMCUが端末と一体化している場合や,ネットワークの中に設けられる場合もあります.

 

 テレビ会議に必要な広帯域のネットワークは,通常ネットワーク・プロバイダが提供するサービスを利用します.そこで,ネットワーク・プロバイダとそのサービス利用者機器との間で責任分界点を定義する必要が生じます.これはユーザ・網インタフェース(User-Network Interface,UNI)と呼ばれ,接続点の物理的特性,電気的特性,信号のやりとりに関するプロトコルが規定されます.
 企業内通信システムの一環でテレビ会議システムが構築される場合,ネットワーク・プロバイダの通信回線に企業内ネットワークが接続され,その先にテレビ会議端末などがつながります.この場合,前述のUNIはネットワーク・プロバイダの視点では公衆ネットワークと企業内ネットワークの間に存在しますが,テレビ会議システムの視点ではテレビ会議端末などと企業内ネットワークとの境界に存在するとして扱うモデルが有効です.
 MCUは,多くの場合,図3-1で示すように端末と同様,UNIの外側に位置しますが,物理的には端末と一体化した実装や,ネットワーク内に置いて,ネットワーク・サービスの一部としてマルチポイントのテレビ会議が提供される形態もあります.
 ここで,図3-1の3要素について,説明を加えます.
 まず端末ですが,利用者とテレビ会議システムの接点になる要素で,音声,映像あるいはデータ(音声,映像以外のメディアを総称してデータと呼びます)のメディア情報を取り込んだり,相手からのメディア情報を表示したりする機能が代表的です.具体的にはマイクロホン,スピーカ,カメラ,ディスプレイなどの機器がその機能を担います.これらメディア情報は,端末装置の中で帯域圧縮符号化などの信号処理が施され,多重化のうえネットワークを介して送受信されます.その他,端末にはテレビ会議システムがシステムとして動作するために重要な制御機能が実装されます.具体的にはリモコンなどのデバイスでネットワークへの接続制御を行い,また端末・端末間あるいは端末・MCU間で利用者の意向を反映した通信モード選択などの制御が実現されます.
 次にネットワークは,端末・端末間あるいは端末・MCU間を接続し必要な帯域の通信チャネル群を提供します.ここで「群」と記したのは,テレビ会議は複数のメディアを同時に利用するマルチメディア通信であることと,メディア情報のみでなくシステム制御の情報も流れることを強調するためです.
 最後にMCUですが,この要素は複数端末相互を結び,複数拠点間のテレビ会議を実現するための要素です.端末から見るとMCUは基本的にもう一つの端末のように見えます.すなわち,MCUと端末a,MCUと端末b,・・・の接続をします.ただし,例えば議長制御のようなマルチポイント会議に固有の制御もありますので,端末はそれを実装していることが必要です.MCUは個々の端末に対し,複数拠点からの音声,映像,データを合成あるいは切替処理をし,一つの端末からのように送り出します.

 

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