ページ ツリー
メタデータの末尾にスキップ
メタデータの先頭に移動

 本章では,テレビ会議システムを設計するうえで基本となる要件,すなわち利用者としての人間がシステムの特性をどのように受け取るか,システムはどのような品質条件を満たさなければならないか,を論じます.テレビ会議をマクロに眺めますと,ブラックボックスとしてのテレビ会議システムがありその両端に利用者が向き合っていますので,利用者とシステムとの間のインタフェースがシステムの良し悪しを決定します.そこでは品質であったり,使い勝手だったり,人間がどのように感じるかに焦点があたります.これらを総称してシステムの人間要因(human factors)と呼んでいます.
 中心となるのは音声,映像,そして両者が複合したメディアの品質です.品質を構成する各パラメータに対し,どの程度の物理量であれば利用者は満足するか,あるいは実用的だと許容するか,の実験データを紹介します.
 それに先立ち,品質の測定は主観評価実験に頼らざるを得ませんので,その手法について触れます.主観評価と聞くと,何だか実験の結果が頼りないように感じられるかも知れませんが,条件を整えて行われる実験結果は,客観評価結果と同様に信頼がおけます[5-1].
 この章の最後に,テレビ電話とテレビ会議の通信メディアとしての評価を取り上げます.そして,筆者の長年の疑問である両者はよく似たサービスでありながら,何故テレビ会議が人々に受け入れられテレビ電話は拒否されたのかを考察します.
 この章は次の節から成っています.

  5.1 人間の感じ方を測定する主観評価実験
  5.2 音声に関わる人間要因
  5.3 映像に関わる人間要因
  5.4 音声と映像の相互作用に関わる人間要因
  5.5 テレビ電話とテレビ会議の比較

 また次のコラムを設けました.

  コラム5-1 人間の眼が見る情景は何Kテレビ相当?
  コラム5-2 要らないものベスト4

 

  • ラベルがありません