ページ ツリー
メタデータの末尾にスキップ
メタデータの先頭に移動

 古典的アナログ電話は,現代テレビ会議システムの呼制御にとって,設計の基盤となっています.アナログ電話は図C8-1に示しますように,次のステップで進みます[8-62].

 

図C8-1 アナログ電話のつながる仕組み

発呼から通話終了までのステップと,各ステップで関与する交換機,電話機の呼制御信号処理を示しています.H.320システム,H.323システム,SIPシステムの呼制御も同様のステップを踏みます.

 

 a) 発呼側利用者がハンドセットを取り上げる.これにより電話機と交換機の間に直流が流れ,交換機により発呼が識別される.
 b) 交換機から電話機に400 Hzの電流が流れることで,耳に聞こえる連続音として呼の受付が伝えられる.
 c) 発呼者が宛先の番号をダイヤルすると最寄りの交換機まではダイヤルパルスあるいはDTMF (Dual-Tone Multi-Frequency)信号として送られ,交換機間は呼制御信号メッセージとして宛先交換機に届けられる.交換機間の信号方式はSS7共通線信号と呼ばれ,通話とは独立の高速パケット交換網により信号が送られる.なお,DTMFは低群4周波数,高群4周波数の中から各1周波を用いてダイヤルボタンに対応する信号を作る.
 d) 相手交換機は着呼があったことを認識し,宛先利用者に16 Hzの電流を送って呼び出しのベルを鳴らす.同時に,発呼者には断続の400 Hz電流で呼び出し中であることを伝える.
 e) 着呼側利用者がハンドセットを上げると交換機との間に直流が流れ,交換機が応答を認識する.
 f) 着呼側利用者の応答があったことで,発呼側交換機には応答信号と課金開始信号が送られ,発呼側電話機と着呼側電話機の間に電話回線が接続される.
 g) 通話が始まる.
 h) 発呼者がハンドセットを置くと,直流の遮断により交換機が通話終了を認識し,通話路を遮断する.
 i) 交換機間で信号をやり取りし,初期状態に戻す.
 H.320システムやH.323システムでも同様のステップを踏みます.呼制御信号の形式はアナログ電話では加入者線部分と交換機間部分で異なるのに対し,端末・端末間でQ.931に基づく同じ信号形式を取ります.またアナログ電話では,呼制御信号のやりとりの後メディア情報の送受信に移りますが,テレビ会議ではその間に能力交換のフェーズが入ります.しかし,呼制御信号の経路とメディア情報の経路が独立している点は共通しています.

  • ラベルがありません