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 2007年11月,筆者は"gatekeeper"の命名者は誰か,との質問をイスラエルの大学から受け取りました.ゲートキーパはH.323システムを象徴する構成要素です.
 ITU-Tの専門家グループでH.323システムの作業が本格化したのは1995年初めからです.当時は,この専門家グループの主力はATM環境下のオーディオビジュアル通信システムで,筆者はリーダとしてそちらに携わっていました.H.323の議論は数人の小グループで行われていて,筆者は議論の結果を最後に聞くだけの立場でした.
 上記の質問に答えるため,当時の会合文書を調べたり,小グループの議論に参加していた人にメールを出して,"gatekeeper"は1995年5月スウェーデンのストックホルム郊外Haningeで行われた会合で生み出されたことが分かりました.その議論に参加していた人の証言は,ゲートキーパ機能に名前が必要と感じ何が良いか気楽な会話をしている中で映画Ghostbustersに登場する半神半人Gatekeeper, Keymasterが言い出され,"gatekeeper"になった,しかし今となっては誰が言い出したかは特定できない,とのことでした.
 ゲートキーパの主な機能は呼制御です.1995年5月より前の文書では,この機能はゲートウェイと呼ばれていました.第9.4節2)で述べましたように,その頃,LAN環境のH.323システムと先行するISDN環境のH.320システムとの相互接続が強く意識されていましたので,H.323に必要な新たな機能がゲートウェイの一部として認識されていたものと思われます.しかし,LAN環境内のH.323端末同志の接続も重要と思い至り,独立した機能とすべくゲートキーパの名前が付けられた,と言うわけです.

 

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