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 筆者が1964年4月に職業人生活を始めて以来,50年余りが過ぎました.遠くない将来,職業人生活を完全に終えるべき時が来ることは確実です.頭と手が動く間に,テレビ電話やテレビ会議に代表されるリアルタイム会話形通信システムに関わる知見を書き残しておきたいと思い立ちました.幸い,VTVジャパン株式会社内のウェブ出版を許され,早稲田大学での講義,VTVでの社内講習会,外部ワークショップなどでの講演のスライドが手許にありましたで,これを基に,話した内容を説明として文章化する紙芝居を作ればよいと考えた次第です.
 筆者の勤め先はNTTに始まって,民間会社,国の研究機関,大学など5箇所を数えます.仕事の種類は研究,開発,マネージメント,標準化と多様です.しかし,従事した仕事はテレビ電話,テレビ会議とその周辺を離れずに来ました.落語のフレーズを借りれば「長い浮き世に短い命」,他にも進む道はあったかもしれませんが,NTTに入って間もなく携わったテレビ電話の仕事が刷り込みになったのでしょうか,それにこだわりながら進路を選んできた結果です.因みに落語では禁酒を誓ったにもかかわらず,長い浮き世に短い命と言い合いながら酒を飲んでしまうのですが・・・.
 具体的記述内容は,テレビ会議のコンセプトと歴史,システム構成,設置環境,人間要因,要素技術,ネットワークとの関わり,それと標準化についてです.これらを9章に分け,エピソードや豆知識をコラムとしています.この分野で仕事する読者にとって,技術の背景や考え方を知ることに役立てば幸いです.詳細は参考文献を紐解いて下さい.歴史については,あくまで筆者の身の回りに起こったことを中心とする個人的歴史記述です.
 技術分野で何か書こうとすると,アルファベットを連ねた頭字語(例えばMCU)が避けられません.書くには便利なのですが,読むには不都合です.少しでも読みやすくなるように最初に出て来たところで元の綴りを記すようにしましたし,巻末に一覧表を用意しました.また,できるだけ関連の情報が得られる参考文献を示しました.新たな試みとして,標準の文書を参照する場合,技術の流れが分かるように最新版だけではなく初版が何時出されたかを記しました.
 外来語のカタカナ表記は,映像情報メディア学会会誌の用語統一基準に従うことを原則としました.その中で,digitalは「ディジタル」と表記する,ただし我が国のディジタル化したテレビ放送は,例外として「デジタル放送」を固有名詞として使うとされています.また英語2音節以上のer, or, arの音引きは取る,ただし「インターネット」は例外,とされています(映像情報メディア学会誌2015年11月号目次より).
 図面はクリックすると拡大表示ができます.ウェブ出版の強みの一つです.
 本書を作るにあたり,先人の業績を紹介すべく,多くの図面を既刊出版物からお借りしました.元の図面をそのまま利用した場合は,出典に「再掲」もしくは「引用」と記し,参照して形を変えた場合は「参照して作成」としました.利用を許諾いただいた下記の機関と,了承いただいたそれぞれの著者の皆様に感謝します.

British Telecommunications plc
Cisco Systems, Inc.
CQ出版(株)
EBU
IMTC
ITU-T
NHK放送技術研究所
NTT技術誌事務局(電気通信協会)
NTTメディアインテリジェンス研究所
Polycom, Inc.
Qconferencing
Stanford University
TTC(一般社団法人情報通信技術委員会)
Wainhouse Research
朝日新聞社
アスキー・メディアワークス(株式会社KADOKAWA)
(株)インプレス
(株)オーム社
色カラーサイト
(株)小野測器
映像情報メディア学会
共立出版(株)
(株)彩図社
電子情報通信学会
日本印刷技術協会
(株)日本実業出版社
(株)見果てぬ夢
矢崎総業(株)
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