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 データメディアは,音声と映像以外のメディアを総称したものです.第3.2.3項で説明しましたように,ITU-TではT.120シリーズ標準[6-51]を用意し,静止画像を送りそれに書き込みをする方法,マルチポイントでPCファイルを通信相手に送る方法,同じくマルチポイントでアプリケーションを共有する方法,テキストチャットの方法,など定義しましたが,広く使われるには至りませんでした.従って,データ符号化の有効な標準は存在しないのが実情です.
 ただ,ビジネスシーンでは必須のPC画面を使ったプレゼンテーションについては,H.239[6-52]が活用されています.PC画面の符号化には,H.264/AVCなどの映像符号化標準が適用され,使い方からは音声,映像以外のメディアとみなすことができるものの,符号化としては映像の扱いです.H.239によるPC画面情報共有の制御は第8.1.3項で説明します.なお,H.265/HEVCの拡張として,PC画面の効率的な符号化ツールSCC (Screen Content Coding)が標準化作業中で,2016年6月完成予定です[6-53].
 似たような例として,書画カメラで文書や実物を写して相手と共有する使い方があります[6-54].参加者を撮しているカメラと切り替え書画カメラを使う場合とH.239制御により第二の映像として送る場合があります.いずれにしても書画カメラ情報の符号化は映像符号化を用います.
 メディア符号化の例として,TTCで作業されたコンテンツ転送システムJJ-40.20[6-55][6-56]を紹介します.これは国内標準で,NGN (Next Generation Network)[6-57]の上で動作するオーディオビジュアル通信システムのデータ転送プロトコルを定義しています.NGNとは,テレコム・キャリア版のブロードバンドIPネットワークです.
 JJ-40.20の位置づけを図6-52に,アプリケーションシナリオの例を図6-53に示します[6-58][6-56].JJ-40.20は音声メディア,映像メディアと共に使われるデータメディアを規定します.図6-53の例は,テレビ電話中に送信側のPCに保存されたファイル(この場合は写真)を相手に送信し,それについて会話する使い方です.JJ-40.20ではその他にファイルを受信する使い方,サーバに保存されたファイルを取得する使い方が規定されています.

 

図6-52 JJ-40.20(コンテンツ転送システム)の規定範囲

TTC標準JJ-40.20はNGNにおけるオーディオビジュアル通信のデータチャネルプロトコルを規定します.SOAP/HTTP/TCPによりコンテンツを収容したファイルの送受信を可能にします.

 

図6-53 JJ-40.20(コンテンツ転送システム)の利用シナリオ例

テレビ電話の通話中に,話題の材料を写真ファイルとして送り,説明を続ける利用例を示しています.

 

 プロトコルはSOAP/HTTP/TCPで,TCPのうえでHTTP (Hyper Text Transfer Protocol)によりSOAPメッセージを送ります.SOAP (Simple Object Access Protocol)[6-59]は,XML (eXtensible Markup Language)とHTTP (Hyper Text Transfer Protocol)などをベースとした他のコンピュータにあるデータやサービスを読み出すためのプロトコルです.JJ-40.20は,通信手順のほか,SOAPの各種リクエストメッセージ,それに対するレスポンスメッセージを規定しています.

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