本章では,テレビ会議がシステムとして動作するに必須の通信制御プロトコルを説明します.テレビ会議端末の外からは目に見えない部分ですが,ネットワークを介したテレビ会議端末間の接続,接続後の能力交換など端末間のネゴシエーションに基づく通信モード決定,オーディオビジュアル通信中の遠隔カメラ制御ほかの制御と状態表示などの働きをします.
現行のテレビ会議システムは,利用ネットワークの違いにより,主に次の3種類があります.
ISDN上のH.320システム
IPネットワーク上のH.323システム
IPネットワーク上のSIPシステム
通信制御プロトコルは,機能的には同じでも,これら3種類のシステムでそれぞれに定義されていて,プロトコル表現方法も異なりますので,個別に記述します.
この章は次の節から成っています.
8.1 エンド・エンド間通信制御
8.2 エンド・ネットワーク間通信制御
8.3 マルチポイント制御
また次のコラムを設けました.
コラム8-1 プロトコルのバイナリ表現対テキスト表現
コラム8-2 H.245誕生のエピソード
コラム8-3 OIDの話し
コラム8-4 アナログ電話のつながる仕組み