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 ハイブリッド符号化を映像符号化標準に採用した最初はH.261で,その後約25年して最新のH.265/HEVCが作られました.両者を標準化会合の回数,会合当たりの平均参加者数,提出された寄書の数,出来上がった標準文書の頁数で比較して図C6-7に示します.H.265/HEVCでは,おおよそ10倍の人的資源を要し,出来上がった標準文書も10倍厚くなっています.この25年間に符号化アルゴリズムが高度化,複雑化したことを如実に表しています.勿論,高度な符号化アルゴリズムであっても実装可能であることが新たな標準を定める条件の一つになっていますので,ムーアの法則の支えがなければH.265/HEVCも誕生しなかったでしょう.
 図C6-7がもう一つ意味するところは,映像符号化を専門にしている人の拡大です.通常一人の専門家が標準化会合に参加する背景には数人の研究者が支援していますので,歴代の映像符号化標準化作業がこれらの専門家を育てたと言えます.第10.5節で述べるレファレンス・モデル手法は,最新の符号化モデルを文書およびプログラムの形で公表しますので,これが新たな専門家育成の役割を果たしています.

 

図C6-7 H.261とH.265/HEVCの標準化作業

時代とともに映像符号化標準が高度化・複雑化していることを示しています.最初は24頁で表されていたアルゴリズムが,今では300頁を必要としています.

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